それからは、フェイスはジュニア専属の小便器となった。
普段はいつも通りイケメンすぎるほどイケメンなのに、ジュニアが尿意を催すとたちまち惨めな奴隷となる。2人でトイレに入ると、待ちわびたように口を開け、ジュニアの小便を求める。
幸い、このところキースとディノは連れ立ってどこかへ出かけていることが多いので、フェイスとジュニアの異常な関係も気づかれてはいないようだ。
「おら、そんなに飲みてーなら、ちゃーんとオネダリしてみろよ、クソ便器」
「は、はい♡俺の汚い口に、たくさんオシッコ出してください、レオナルド様♡」
ジュニアは単純なので、おだてられるとすぐに気を良くする。今までフェイスに劣等感を抱いていつか見返そうと躍起になっていただけに、フェイスを罵るジュニアは楽しそうだった。
「ししっ、マジウケる!だっせーの!これが女どもにキャーキャー言われてんだからな。おら、お待ちかねの小便だ。ありがたく飲めよな!」
「はひぃっ♡」
こんな日々がしばらく続いた後、転機は訪れた。
毎日毎日おいしそうに尿を飲むフェイスを見ているうち、ジュニアの中に抑えようのない好奇心が芽生えてしまったのだ。
ごくごくと尿を飲み干したフェイスに向かって、ジュニアが遠慮がちに訊いた。
「そんなにうめぇのか?」
ジュニアの質問の意図に気づいたフェイスはにんやり笑い、小便臭い声で囁きかけた。
「おいしいよ。ねぇ、飲んでみなよ。おチビちゃんも、俺の、オシッコ♡」
ジュニアは何も言わなかったが、顔を赤くしてペニスを勃起させたことで、便器への道を歩み出した。言われるがままその場に正座し、入れ替わるようにフェイスが立ち上がる。
「な、なぁ。やっぱりやめねえか?」
「今さら何言ってんの。まぁ、覚悟決めちゃいなよ。俺もそうだったけど、一回飲むとやみつきになるよ」
「おまえと一緒にするなよ。お、おれは変態なんかじゃ……」
言いかけた言葉は、フェイスがペニスを曝け出した瞬間止まってしまった。目の前で揺れるフェイスのペニスに息をのむ。頭の中で、あの鐘が鳴り響いている。
「あ、あ、あ……」
口をあんぐり開けて動けないでいると、フェイスが妖しく微笑みかけ、そして、放尿をはじめた。
「あ、あぶぶっ、ぶぶうっ」
塩辛さと生臭さにえずき、飲み切れなかった尿が服を汚していく。それでも懸命に喉を動かして尿を飲みこんでいくうちに、理性が溶けて幸福感で満たされていくのを感じた。鐘の音が、祝福するように脳内で響く。
「お゛へえぇ♡ はひっ、はひいぃっ♡」
フェイスの放尿が終わるころには、ジュニアはいつかのフェイス同様、トイレの床に転がって、体中小便まみれになっていた。しかしその顔は、眉を垂らし、焦点の合わない目を潤ませ、口をにんまり歪めた、醜くも幸せそうな表情をしていた。
「アハ、ひっどい顔♡ ドSな顔もよかったけど、おチビちゃんはアヘ顔も似合うね」
だらりと垂れていたジュニアの舌を引っ張り、フェイスは耳元で艶めかしく囁いた。
「俺と一緒に、便器になろうよ」
ジュニアは「あへぇ♡」と一声鳴いた。それが肯定の返事だということは、だらしなく歪んだ笑顔を見れば明らかだった。
その夜、いつぞやのフェイスの豪快ひょっとこフェラ動画と、チンぐり返しで自分の尿を飲むジュニアの動画がエリチャンに投稿された。事実上の人間卒業宣言だった。
だが、この動画は世間の笑い物にはなったものの、さほど問題視はされなかった。
この少し前から、ニューミリオン中で彼らのような異常者や変質者が続出し、はじめはヒーロー達が対応にあたっていたものの、いつのまにかそれは日常の一コマとして受け入れられるようになっていたのだ。
カリヨン時計の不思議な音色が、街全体を包み込んでいた。