第二試合『ザーメン集め競争』
第一試合が終ってまもなく、続けざまに第二試合の幕が上がった。
出場者は、砂漠の民で「沈黙の殿」の首領セトスと、「笠っち」こと謎の放浪者だ。
結界が解除されて気温が正常化してもなお、舞台の上には二体のオナニー像が取り残されていた。
入場するなり放浪者はそれらの氷像に歩み寄って、その間の抜けた表情やポーズを観察し始めた。戯れに風を吹かせると、鼻やペニスから伸びた氷柱がプラプラ揺れる。
「アッハハハハ、なんて情けない姿なんだ!こういう茶番は、見ていて実に滑稽で楽しいものだね」
氷の棒と化したカーヴェの陰茎をピンと弾く。野太いザーメン氷柱が千切れて落下し、氷像の足元で弾けた。その様子を見ていたセトスが苦笑する。
「随分と余裕だね。次は君か僕がこういう姿になるんだよ?」
「勿論、君だよ。そのヘラヘラした顔が恐怖と絶望で醜く歪む姿、せいぜい楽しませてもらおうじゃないか」
笑顔で向き合うセトスと笠っち。その後ろで、哀れな氷像はスタッフによってエントランスの方へ運ばれていった。そこで大会が終わるまで晒され続けることになる。
「さぁ!緊迫の第二試合!勝負の内容は……はい!」
実況の合図とともに、数十人の中年男達がわらわらと会場へなだれ込んできた。どいつもこいつも全裸で、目元に黒マスクをつけた、筋骨隆々な男だ。揃って大ぶりなペニスにコンドームを被せている。
「『ザーメン集め競争』です!」
「ここにおるモブおじさんズからあの手でこの手で種汁を搾り取り、コンドームに集めていく勝負じゃな。制限時間内により多くのザーメンを集められた方の勝ちじゃ。ちなみに自分の精液もカウントしてよいから、適度な自慰も効果的じゃぞ」
列をなして腕を組む裸のオッサン達。笠っちは露骨に白けた目を向けて肩をすくめた。
「えーっ。こんなのから精液を搾り取れって?本当に悪趣味だね。気持ち悪い」
「まぁまぁ。せっかく協力してくれてるんだから、皆で気持ち良くなろうよ♡」
「ふっ。洗脳されている奴は気楽でいいね。まあいいさ、どのみち優勝は僕のものだからね。こんな馬鹿げた試合はさっさと終わらせてあげるよ」
セトスはにこやかに笑い、笠っちは余裕の微笑を浮かべながら、当たり前のように下半身の着衣を脱いで場外へ放り出した。自分のザーメンも集める以上、競技の邪魔になるからだ。
そして下半身裸で改めて対峙する二人。笠っちの人造ペニスからは尿が数滴、滴っている。
「それでは、さっそく始めましょう!試合開始!」
合図とともにゴングが鳴らされる。が、裸の男達は動かない。いかに男達の気を引いて自分の方に寄って来させるか、そこから勝負は始まっているのだ。
しかし、好色なオッサン達は既に少年達の丸出しの股間に熱い視線を注ぎ、荒い息を吐いている。その様子を見て放浪者は噴き出した。
「ふん。汚らわしい。まったく、救いようのない変態ばかりだね。まあいいさ。今日だけ特別だ。ほら、こういうのが好きなんだろう。僕のオチンチンを近くで見たいなら、もっと寄って来なよ♡ 干からびるまで搾りつくしてあげるよ♡」
蔑むような目をして、自分のチンポをブラブラ振って見せる。
これには男達はひとたまりもない。我先にと押し寄せてくる。……と思いきや、実際の反応は笠っちにとって意外なものだった。
「は?なんだこいつ。クッソ偉そうで萎えるわ」
「普通にムカつくしな。あっちいこうぜ」
男達は悪態をついて、ぞろぞろとセトスの方へ歩き出してしまったのだ。
「……は?」
事態が飲み込めず、ただ虚空に向かってペニスを振り続ける放浪者。
一方のセトスは、流れてきた男達を渾身の笑顔で歓迎する。
「やぁ!僕のところに来てくれてありがとう!うわぁ、立派なチンポだね。同じ男として尊敬するよ!もしよければ、ゴムを取って触ってみてもいいかな?……あはっ♡ ありがとう!」
先頭の男のペニスを握って挨拶すると、手ずからコンドームを被せ直して手コキを始め、あっという間に射精させる。セトスは精液の溜まったコンドームを男のペニスから外し、自分の腰へとぶら下げた。
「ありがとう、おじさん♡」
射精してコンドームを失った者は退場となるのだが、セトスのあどけない笑顔に感動した男は、いかにもスッキリした様子で「頑張れよ」とエールを送ってステージを去っていく。
その様子を見ていたオッサン達は誰に言われたわけでもなく綺麗に整列し、セトスによる握手会ならぬ握チン会が始まった。しかし待ち時間が長くなるにつれ、手コキでは満足できない輩が現れる。待ってましたとばかり、セトスはステージの上に座り込んで大きく開脚した。
「ケツマンコも、使っていいよ♡」
Ⅿ字に開いた脚の真ん中で褐色のペニスがビクビクと跳ねている。セトスの笑顔は赤みを帯び、ある種の妖艶さを漂わせていた。
無邪気で闊達、それでいて淫乱で下品。健康的な褐色美少年の痴態に、オッサン達は沸き立った。
ズチュンッ!♡
「ほおお゛ッ!!♡ いいっ!♡ いいよぉっ!♡ チンポっ! 気持ちいいっ!♡」
アンアンと娼婦のように喘ぎ、尻の穴で男の精子を奪い取る淫魔のような少年。ゴムの中に射精した男はコンドームをセトスの腰に捧げて退場。そしてまた次の男がセトスの尻にペニスを突っ込むと、しびれを切らした男が数人進み出て、セトスの手を竿を握らせて手コキを強要し、また別の男はセトスの前に立って彼をオカズに自慰を始めた。
怒涛の勢いで使用済みコンドームという名のザーメン風船を集めていくセトス。
対する放浪者は未だに一人で立ち尽くしている。傲慢な彼も、さすがに強い焦りを感じていた。
「おい、お前たちの目は節穴なのか?そんなビッチ臭い尻軽男の汚いクソ穴なんかより、人形である僕のキレイなアナルの方が気持ちいいに決まっている!ほぉら、拡げてやるからよく見てみなよ!」
男たちに向かって尻を突き出し、両手で肛門をおっぴろげる。ぱっくり開いた人工的な穴は確かに衛生的で、物欲しそうにパクパクひくつくソレは名器と呼んで差し支えない逸品だ。
が、肝心の態度がこれでは、人懐っこいセトスに群がっている男たちを振り向かせることはできない。
「おおっと!!笠っち選手、肛門を全開にして尻を左右に振りまくっていますが、全く見向きもされていません!」
「哀れじゃのう。あのプライドの高い笠っちがチン媚び尻踊りを披露しておるというのに、誰も気づいておらんわ」
「な、なぜだ!あんなやつ、愚かにも洗脳されて誰彼構わず媚を売っているだけじゃないか!」
尻を突き出したまま肩越しにセトスを見返る笠っち。その顔には怒りと困惑が滲んでいる。
彼に助け舟を出したのは、意外にも対戦相手であるセトスだった。
「へえー。彼も意外とかわいいところあるじゃん。ねえオジサンたち、アレを見てよ。笠っち君が必死にお尻を振って誘っているよ」
言われて振り向いた男達の何人かが、自分でケツ穴を拡げてイキっている笠っちにようやく興味を持った。
「ふぅん。相変わらず偉そうな態度だが、ああいう奴をガン掘りして黙らせるのも一興かもな」
「おいおい、アナルファックは時間がかかるだろ。本命はこっちの小僧なんだし、あいつはとりあえず手コキでいいだろ」
順番待ちで暇を持て余していた男が数名、放浪者の方へ流れていく。
「あいつ、塩を送ったつもりか?余計なことを……」
だがこれでまともな勝負にありつける。笠っちは迫り来る中年男たちに嫌悪感を示しつつ、ようやく訪れた勝機に目を光らせる。
対するセトスも群がる男達を説得してふれあいコーナーを終了させ、ニッコリ微笑んで笠っちに近づいてきた。
「それじゃあ、僕もしばらく手コキに専念しよう。ふふっ。ずっと僕のターン、っていうのはフェアじゃないしね。やっぱり、勝負はこうでないと。」
セトスが放浪者の隣にしゃがみ込み、2人並んで手淫を競い合うことになる。
男の一人が、笠っちの前に男根を突き出した。
「どれ、お手並み拝見と……いででっ!!」
放浪者にペニスを握られるなり、男が悲鳴をあげる。
「この変態♡ こんないたいけな少年(大嘘)相手に汚い粗チンをおっ勃たせて、恥ずかしいとは思わないのかい?穢らわしい。さっさと子種だけ置いて立ち去るといい!」
偉そうなわりに笠っちの手コキは乱暴で粗雑。痛いだけで気持ち良くもない。当然、射精にも時間がかかる。セトスはその様子を横目で面白そうに眺めていた。
「あはは。いいね。強気で横柄な彼が慣れない手つきでオッサンのチンポを扱いてる姿、股間にクるよ♡」
放浪者が一人目に苦戦してる間にも、隣のセトスは二人三人と、手際よく子種を搾り取っていく。先ほど稼いだ分も含めて、彼の腰には精液で膨らんだ色とりどりのコンドームが腰蓑のようにいくつも括り付けられていた。
その余裕綽綽な姿に笠っちは焦りを覚え、それは苛立ちとなって竿役に向けられる。
「はあ?まだ出ないの?ちっ、使えない雑魚め!」
「はあぁ?お前が下手くそだからだろ!」
「うるさい!この僕が直々に扱いてやっているんだ。今すぐに薄汚い種汁を垂れ流せ、ゴミめ!」
美少年に罵られるのが好きなマゾヒストならご褒美だったろうが、ここにいるのは竿役として集められたバリタチのサディストばかり。おまけに放浪者が口ばかり達者で技術が伴っていない見せかけだけのドSだということも既にバレてしまっている。
男から一向に子種を搾り取れない笠っちは、せめて自分のザーメンだけでも稼ごうと空いた左手で自分のペニスを扱き上げるが、最近ペニスを生やされたばかりの彼はオナニーすら素人で、焦って手を動かすだけでは自分のザーメンも搾り出せない。
(こ、このままでは……。何か逆転の手はないのか!何か……)
「笠っち、頑張れ!そうだ、口を使ったらどうかな」
またしてもセトスが救いの手を差し伸べる。……と言うより、彼は単に試合を盛り上げて放浪者と一緒に淫行を楽しみたいだけなのだが。
「は?口って何。まさか、この汚物の塊を口に入れろっていうんじゃないだろうね」
「そうだよ。ほら、僕がやってみせるから。見てなよ」
セトスはそう言って余裕の笑顔を向けると、目の前のペニスに向き直り、ゴムごと躊躇なく亀頭を咥え込んだ。整った凛々しくもあどけない顔が一転、頬を窄め、鼻の下を伸ばした間抜け面に早変わりする。
「んぶっ♡ ちゅぽっ♡ ぢゅるるっ♡ ぢゅうぅーッ!!♡♡♡」
そして唇と舌、手を駆使してあっという間に絶頂まで導き、大量の精液を回収する。
「んばぁっ♡ どう? いっぱい出たでしょ?」
精液で重くなったコンドームを振りながら、舌をチロチロ動かして妖艶に笑うセトス。それから親指と人差し指で輪を作り、縦に開いた口の前で前後させて見せる。そのあまりに淫靡で艶めかしい姿を見て、放浪者は顔を真っ赤にしてわなないていた。
「こ、この淫乱な黒豚め。僕がそんな間抜けな顔を晒すわけが……」
だが、ここで放浪者の頭によぎった思い。それは、「なにがなんでも優勝しなければならない」という強迫観念だった。そう、勝負に負けることは即ち存在価値がなくなり廃棄されるということ。彼の頭は既にそういう考えに支配されている。
「……ちっ、この僕を本気にさせたこと、せいぜい後悔するがいいさ!」
背に腹は代えられないとばかり、覚悟を決めた放浪者は手にしていたコンドームつきのペニスを口に入れ、思い切りしゃぶり付いた。
「ぢゅぞっ!♡ ぢゅぞぞッ!♡♡ ぢゅるるるうッ!!♡♡♡」
「うおっ!?」
セトスに負けず劣らずタコのように口を尖らせ、下品な音を立てて強引にペニスを吸い上げる。あまりの吸引力に、竿役の男はあっという間にゴムの中に射精した。続けざまに次の男のペニスに食らいつく。
「じゅぽおっ♡ どうだ!♡ 君達如きが、この僕のバキュームに耐えられはしまい!♡じゅぽぽっ!♡ ぢゅぽぽおっ!♡」
限界まで口を伸ばし、至って真剣にペニスに吸い付く笠っち。コツを掴んだのか、怒涛の勢いでバキュームフェラを繰り出し、男達を満足させていく。
放浪者の必死の形相を見て、セトスは苦笑した。
「へぇ、なかなかやるじゃん!これはちょっと焚きつけすぎちゃったかな。でも、僕も負けるわけにはいかないからね。本気でイカせてもらうよ!」
陽気に宣言した直後、セトスもまた先ほど以上のブス面になって男のペニスに吸い付き、手業も駆使して次々に子種を搾り取っていく。その様はもはや妖魔の類だ。
「じゅぞっ!!♡♡♡ じゅぼぼぼっ!!♡♡♡ じゅぽぽおお゛ォォ~~ッ!!!♡♡♡♡♡ ジュパッ!♡♡♡ ヂュルヂュルヂュルウゥッ!!!♡♡♡♡ ジュボオオッ!!♡♡♡♡♡♡♡」
美少年二人がその相貌を崩してチンポにむしゃぶりつきながら己のペニスを扱き上げる。その卑猥さは圧巻だ。男達は次々と果てていく。だがそうしている間にも、刻々と試合終了の時間が近づいていた。
「さあーっ!!いよいよラストスパート!もはやひょっとこフェラ対決と化したこの勝負、勝利を手にするのはどちらなのかーっ!!どう思います、ファルザン先輩?」
「笠っちもようやく波に乗ってきたようじゃが、本気を出したセトスには及ばぬわ。見てみい、セトスのあの手際の良さ。コンドームの腰蓑がますます立派になっておる。残念じゃが、残り時間を考えても、笠っちには万に一つも勝ち目はなかろう」
放浪者自身、セトスとのペースの差には気付いていた。試合終了が間近に迫り、ひょっとこ顔が蒼白になっていく。
「あっ……あり得ない!この僕が負けるなんて!おかしいだろう!あいつは偽賢者に洗脳されていることにも気づいていない無能なんだぞ!そんな奴に……」
「馬鹿な奴め。お前もとっくに洗脳されて散々醜態晒してんだよ。そうでなけりゃ精液搾り競争なんてしてねぇだろ」
「な、なん、だって……」
自分だけは正気だと思っていた放浪者は、真実を突きつけられてますます戦意を喪失する。気付いてしまうと、確かに自分の行動は異常だったのではないかと思い始める。だが、今この状況で真実に気づきかけたとしても、もはや手の打ちようがない。
おっさんと自分のペニスを握りしめ、ガタガタと震える放浪者。試合終了まであと5分を切ったあたりで、彼の体に異変が起こる。
ピシッ、ピシピシ……。
「へっ……?」
足元から聞こえる硬質な異音。恐る恐る目を下すと、足が石に変わり始めていた。
「ひっ、ひあああっ!!?」
驚愕する笠っちへ、追い打ちをかけるようにファルザンが解説を挟む。
「そうそう、この勝負、負けた方は身体が石になってしまうぞ。もはや勝負はついたようなものじゃからな。見せしめもかねて、じわじわ処刑が始まっておるようじゃ。詳しい原理は省くが、お前たちが付けておるその首輪には身体を石に変える力もあるんじゃ」
放浪者の首輪が鈍い光を放ち、じわじわと、石の侵食が広がっていく。
「そ、そんな……!い、嫌だ……。この僕が、こんな所で……」
「か、笠っち?大丈夫?」
もはや放浪者は泣きそうな顔をしている。気遣うセトスは、それでもペースを緩めず男達からザーメンを搾り取っていく。
「ひっ、ひいいい゛ィィ~~~ッッッ!!」
突然、放浪者が絶叫した。
「い、嫌だァ!た、助けてくれぇっ!!ザーメン搾り取るしか能のない等身大オナホ人形の分際で、調子に乗ってゴメンなさいぃ!ま、負けたく、死にたくないんだ!ど、どうか!どうかこのオスガキダッチワイフめにおチンポ様をお恵みだしゃいい゛ぃ~~ッ!!」
狂ったように叫び、まだ動く手で必死に自分のペニスを扱き上げ、竿役のペニスを握りしめる。
「なかなかいい顔するじゃねえか。こういう生意気な奴をわからせるのも悪くねぇな!……ふうっ」
「ありがとうごじゃいましゅっ!ありがとうごじゃいまひゅうう゛っ!もっともっと、この愚かなチンポコキ人形に、ご立派な子種を……ひっ、ひいい゛っ!?」
次に並んでいる男が新しいチンポを差し出したが、そうこうしている間にも石化は進行し、もはや放浪者の上半身はほとんど石と化していた。チンポを握る手も石となり、固くなった手に必死で力を込めても、わずかに震わせることしかできない。
「い゛やだぁあああ゛~~ッ!!どうかお慈悲をっ!チンポならいくらでもしゃぶる!便器にでも何でもなるから!だから石化だけは……あがっ……!?」
突然、放浪者の声が詰まったように途切れた。
「かっ……かはっ……! ひゅうぅっ……。はひぃっ……!」
首から下まで石となり、残ったのは顔だけ。目を見開き、涙と鼻水を垂れ流して、金魚のように口をパクパクさせる。もはや握ったペニスに口を近づけることもできず、ただ口端からダラダラと涎が零れ落ちていくだけだ。
(の、喉まで石化して、声が、出ない……っ!! い、いやだいやだ!石になんてなりたくないぃっ!!た、助けてえぇッ!!)
「ははっ!♡ いい!♡ いいよ笠っち!♡ 君のこんな惨めな姿を見れるなんて思わなかった!♡ 最高にそそるよっ!♡」
セトスははじめ石になりゆく放浪者を見て困惑していたが、やがてその姿に興奮して、鼻息も荒く自分のペニスを思い切り扱き上げていた。
そして、その時が訪れる。
「がっ………!!?」
カエルが潰れたような悲鳴を最期に、放浪者の呼吸が止まる。
とうとう足の先から頭の先まで、完全に石の塊に成り果てた笠っち。その股間にくっついた石のちんこから、まるで断末魔のようにザーメンが放たれ、コンドームを膨らませていた。
「勝者、セトス選手!」
巻き起こる拍手。そして石となった放浪者の顔に、べっとりと、白く濁った液体が降りかかる。
「ははは、生意気なクソ野郎のみっともない命乞い、興奮したぜ」
「お前みたいな身の程知らずは精液便所がお似合いなんだよ」
コンドームを外した男達が四方から精液を浴びせているのだ。
苦悶に歪んだ顔。手コキのポーズで固まった指。光を反射する石の生足。その全てがドロドロに汚されていく。あれだけ求めていた精液を、取り返しがつかなくなってから散々に浴びせられているのは何とも皮肉であり、無様であった。
「ふぅ〜。絶望顔にぶっかけるの最高だわ。お望み通り、石便器として使い続けてやるよ」
光を失った放浪者の眼球は、ただ虚空を見つめている。その目の端から、まるで涙のように、ねっとりとした精液が垂れ落ちていく。
「んああ゛ッ!♡♡♡」
突如隣で甲高い嬌声が響き、放浪者の醸し出す悲壮感を台無しにする。セトスが自慰で果てたのだ。
「ふぅ~。気持ち良かった。……あちゃ~。可哀そうに。あんなに必死なって媚びを売ったのに、結局こんな姿になるなんて。でも、君の惨めな最期、僕も興奮したよ。君の分まで頑張って優勝するから、笠っちも便器のお仕事、頑張ってね♡」
悪戯っぽく舌を出して微笑むセトス。放浪者は声なき声で泣き、何かを訴えようとしていたが、結局のところ、石になった体をカタカタと小さく震わせることしかできなかった。
そして石となった放浪者はトイレに運ばれ、便器として据え置かれることになる。