『帝国の落日・被虐の騎士』の続編です。
「じゃあゼラス、気をつけて行ってきてね」
「ああ……。心配はするな、すぐに終わらせる」
出陣前の挨拶にきたゼラスに、ハーヴェルは宝剣を手渡しながら言った。
「ダメだね、僕は。話し合いで解決できるものなら、なんて、まだ考えてしまう」
ヴァルフラムの一件で、帝国とレジスタンスの全面対決は不可避となった。Rはヴァルフラムの報復と、増える一方の反逆者を抑えることを名目に、早期の敵本拠総攻撃を進言。もはや皇帝であるハーヴェルにも、その流を止めることはできなかった。
「僕の甘さのせいで、ヴァルフラムがあんなことになったというのにね。それでも、自国の民を攻撃するなんて、本当は認めたくないんだ」
15歳の若き皇帝は、悲しそうな微笑を浮かべて玉座に着いた。幼さの残る美しい顔の中に、皇帝としての威厳とりりしさが見てとれる。しかし、最近ではそこに物憂げな影もつきまとっていた。
「確かに、お前のその性格は覇王としては失格だ。だが、王道を歩むつもりなら、それは美徳だろう」
跪いていた足を上げながら、ゼラスが言った。
「ふふ、師匠が褒めてくれるなんて、珍しいね」
「褒めているつもりはない。もっと堂々としてろ。お前は一国の皇帝なんだぞ」
ハーヴェルは純粋なままでいい、と、ゼラスは思っていた。
(汚れ役なら、全て俺が引き受けてやる)
漆黒のマントを翻してゼラスが謁見場を出て行くと、玉座の後ろに控えていたシェミルが、例のごとく遠慮がちな落ち着いた声で言った。
「今度の戦は、かなり大きなものになりそうです。大軍を動員する以上、ここの守りは薄くなりますし、陛下もご用心ください」
「大丈夫だよ、シェミル。Rが4個師団を護衛に残してくれた。それより僕は、出陣する兵と、レジスタンスの皆が心配なんだ」
「R………。彼は、信用できません。私は時々思うのです。あの男は、本当に悪魔なのではないかと」
ため息交じりにシェミルが呟くと、皇帝は澄んだ青い目をまっすぐに上げて彼を諭す。
「Rは仲間だよ。素性は知らないけど、子供の時から国を支えてくれてる。理由もなく疑うのは良くない」
「そうですね……。ええ、失言でした」
人を疑うことを知らないこの少年の前では、確かに失言だった。そう思いながらも、シェミルは膨れ上がる不安を抑えることができないでいた。
ゼラスとRが大軍を率いて出陣してから3日後。
帝都は、レジスタンスに占拠された。
Rの残した4個師団は、レジスタンスが一斉蜂起するや否や、王城から姿を消した。残ったのはシェミルをはじめとする文官と、わずかな衛兵ばかり。一日と持たず、大国の王城は陥落したのだった。
「……何が望みだ。政権が欲しいなら、ちゃんとした交渉の場を設けるべきだろう」
全裸で後ろ手に縛られ、皇帝ハーヴェルは床の上に転がされていた。それでも、彼は毅然とした態度で侵入者に訴えかける。
「フン。偽善者め。俺はお前のようないい子ぶりっこが大嫌いでね。帝国のやってきたことは、しっかりと償ってもらうぞ」
冷たい目をした侵入者は、皇帝を足蹴にしながら乾いた声で言った。傍らでは、全身タイツを着た素朴な顔の少年が、大きな黒目を光らせて微笑んでいる。
「僕はどうなっても構わない。キミの言う通り、帝国の罪は償わなきゃならないから……。でも、他のみんなには手を出すな!」
「威勢がいいな。素っ裸のくせに」
男は冗談めかして言ったが、顔は無表情のままだ。それに引き替え、傍らの少年はさも面白そうにニコニコとして
「あはは。かわいー顔して、いっちょ前にチン毛生えてるんだー」
少年王の短い陰毛をぐいぐいと引っ張った。これには流石のハーヴェルも顔をしかめる。
「くぅっ!やめろ!話し合いには応じる。でも、僕は力には屈しない!帝国は君たちの仇なんだろうけど、キミたちだって、僕にとってはヴァルフラムの仇なんだ!」
「ヴァルフラム?ああ、あのネギ男か。あんなモノに同情しているのか」
男の声は、ますますもって冷えきっている。副官らしい少年は、ヴァルフラムの名を聞くや、バカにするように大げさに噴き出した。ハーヴェルは少し声を落として
「…彼も、国民だった」
「フン。俺も今や一応帝国民ってことになるんだろうがな。なら、国民の意思、ってことで、少し付き合ってもらおうか」
「僕に何をするつもりだ」
少年王が男を精一杯睨み付けると、タイツの少年が笑い交じりに応えた。
「決まってるでしょー。キミもあの変態貴族のようになるんだよー」
「僕は何をされても屈しない!協議に応じないなら、首を斬れ!そして、シェミルたちを解放してここから立ち去るんだ!」
全裸ではあるものの、勇ましい少年王の態度に男は初めて笑みを見せた。
「クックック、こうでなくては壊しがいがない。ま、5日後にはプライドなんざ吹っ飛んで、国のことも民のことも忘れてるだろうがな」
「たいちょー、今日はノリノリだねー。あーあ、俺の楽しみが取られちゃうよー」
こうして、聡明な少年皇帝の調教が始まった。
調教1日目
ハーヴェルは手を後ろ手に縛られたまま、首に縄を繋がれて、半ば強制的に場外へと引っ張り出された。いつも着用している上等なエンジ色の上着をボタンを全開にして羽織らせり、他には何も身に着けていない。全開の下半身が風にさらされ、小ぶりのペニスと玉、髪と同じ薄いブルーの陰毛がゆらゆらと揺れている。
そんな間の抜けた恰好で、少年皇帝は自国の民が沿道いっぱいに集まった大路を、縄に引かれて行進する。
「おい、あれって本当に皇帝陛下なのか?100年に一度って言われるほどの聡明な名君って噂だったはずだが………」
「あんな間抜けなガキがか?」
「きゃあっ、おチンチン揺れてるわ!」
大観衆のざわめきが、ハーヴェルの耳に次々と突き刺さる。
「あれー?陛下、おちんちんが元気になっていらっしょるようですね」
「!!!」
恐らく、観衆の中にレジスタンスのメンバーが混ざっているのだろう。遠慮のない野次にハーヴェルがそっと自分の股間をうかがうと、確かにそのペニスはむくむくと頭をもたげてきていた。きれいな卵型の金玉も、ぐっと引き締まって震えている。
「ママー。あのお兄ちゃんのチンポ、なんでおっきくなったのー?」
「こら!見るんじゃありません!」
「そんなはしたない恰好を国民に見せといて、興奮してらっしゃるんですか?」
「なんとかいえよチンポ陛下、じゃなくて、なんだっけ?そうそう、ハーヴェルたま」
一斉に笑い声があがる。嘲笑と軽蔑の笑いが半分、そして、失望と絶望による、諦めにも似た笑いが半分。ハーヴェルはただ顔を真っ赤にして目をそらし、必死に羞恥に耐えていた。
「何下向いてるんだ。ちゃんと前を向け」
縄を引いていた冷たい目をした男………コールが、ハーヴェルの鼻に指を掛け、ぐいと引っ張り上げる。
「うっ!!」
「アハハハハハハハ!!間抜けな顔ですね!!」
「ママー、ブタさんだよ、あのお兄ちゃん、ブタさんだよー」
「こら!見ちゃダメって言ってるでしょ!!ホラ、行きますよ」
罵声と嘲りが飛び交う。
「おい、裸の王様。何とか言ってやったらどうだ。国民に情けなペニスを見られた感想はどうなんだ。ブヒブヒでもいいから、何か言ってみろ」
コールが皇帝のブタ顔を覗き込んで言うと、皇帝は激しく頭をふってコールに頭突きを食らわす。衝撃でよろめいたコールは、体制を立て直すとハーヴェルの頬を思い切りはたき、首にかけた縄を強く引きながら歩き始めた。
ハーヴェルは苦悶を顔に張り付かせながらも、強い意志のこもった目でコールをにらみつけ、渋々行進を再開する。
「フンっ。悪いな諸君。まだろくに躾てないんだ。なに、数日後には、この間のネギ男のような立派な変態になってるよ」
「期待してますよ、コールさま」
沿道にいた脂ぎった男がエールを送る。と、ハーヴェルが歩きながら大声で宣言した。
「僕は、お前たちなんかに屈したりはしない!こんなやり方で、この国を譲ったりは、絶対にしない!!」
コールはもう、何も言わなかった。ハーヴェルも無言でただただ連れ回され、結局数時間かけて帝都の外周を一回りしたあと、王城へと帰還した。
調教2日目
「ねー、たいちょー。さっきあの子が眠ってるとき、チンポに何か注射してたよねー」
皇帝を監禁している地下室への階段を下りながら、副官の少年、キンスターがコールに尋ねた。
「ただの強壮剤だ」
「きょーそーざいー?」
「精力が3倍になる強力な代物だが、それだけだ。脳に影響するような物質は何も含まれてやない」
「へー、なるほどねー。試そうってわけだ」
「結果は見えているがな。」
コールがトントンと規則的な音を立てて階段を降りきり、続いてキンスターがいかにもウキウキしているように、飛び跳ねながら地下へ降りた。扉を開けて2人が部屋に入ると、中央の柱に括りつけられた少年が必死にもがいていた。
「ああっ……な、何コレっ!?ひっ……な、なんでこんなっ……」
「ハハハハハハ!みじめな姿だな。これが天下のカストル帝国の皇帝の姿か」
少年のペニスははちきれんばかりに膨れ上がり、その鈴口からも上の口からもダラダラと汁をこぼしている。
「うわー、あはは。そんなに涎垂らしちゃって、みっともないなー」
「まったく、愚かしい限りだ」
「ぼ、僕に!僕に何をしたっ!?」
ハーヴェルは大きな目に涙を浮かべながら、2人を睨み付けた。コールは無表情を崩さず、淡々と答える。
「少し下を元気にしてやっただけだ。お前が欲望に負けなければ、何の問題もない」
「欲望………だって?」
「射精したくてたまらないんだろう?高潔な皇帝といっても、思春期真っ盛りのガキだからな。お前が射精の快楽に溺れるか、理性を保ち続けるか、それを試すのさ」
「くっ、バカにするなっ!こんなことしても、僕は性欲になんかっ… あおっ!?」
怒鳴りつけるハーヴェルのペニスが、ビクンと脈打つ。
「あははははー。イキたくてたまらないくせに、良く言うねー」
「ちっ、ちがっ……あんっ!………ぼ、僕はっ!負けないぃぃ~っ!んっ、おおっ!?」
「フン。恰好ついてねーよ。盛りやがってみっともない。お前はチンポと国民、どっちが大切なんだ」
「あっ…ん………こ、国民に決まってる!!お前たちみたいな変態にっ!帝国は渡さないぃッ!!!」
快楽に腰をくねらせもがきながらも、少年は声を張り上げて断言する。
「フン。殊勝なことだ。今日は一日そのままでいろ」
コールが黙って背を向けると、キンスターは少年王のペニスを指で一度はじき、笑いながら上司の後を追った。
「んおっおおおっ…!くっ、僕の恥ずかしい姿が見たいなら見ればいい!!でもっ、国民には手出しさせないっ!!」
誰もいなくなった地下室に、皇帝の叫びが空しくこだました。
調教3日目
2人が部屋に入ってみると、哀れな少年は依然としてペニスをそそり立たせ、先走りをダラダラ垂らしながら、ゆらゆらと腰を振っていた。両手が封じられて拭うことができないため、整った顔は涙と涎、それに鼻水でドロドロに汚れていて、それらが垂れ下がったおかげで全身がベトベト、汗の臭いも充満し始め、まったくみじめとしか言いようのない姿だった。
「うっわー、くっさー。涎と鼻水まみれじゃん。キミ、王族じゃなかったの~?」
キンスターが鼻をつまみながら、軽蔑を目いっぱいこめた笑みでハーヴェルを見下した。
少年王は蒸気したベトベトの顔を上げ、眉を吊り上げて睨み付ける。
「ふぅ、ふぅ、ぼ、僕はっ!皆と約束したんだ!帝国を、みんなを守るって!!!」
ひゅうと口笛を鳴らし、コールが冷たい声で言う。
「さすがは王だけはある。あの腐りきったネギ男よりは立派だよ。だが、それも終わりだ。キンスター」
「なんだい、たいちょー?」
「挿れてやれ」
「へ?」「何だとっ!」
コールの言葉に、キンスターとハーヴェルが同時に驚嘆の声をあげた。
「なんで俺なのさー。たいちょーがやるんじゃないのー?」
「男の尻になんざ、誰が突っ込むか。そういうのはお前の専門だろう」
「ちぇー、相変わらず潔癖なんだからー。まー、そういうことならー」
キンスターはハーヴェルに歩み寄りながらタイツを脱ぎ捨て、全裸になった。その素朴な顔立ちに似合わないくらい、引き締まった体躯をしている。そして浅黒い立派な一物を掴むと、ハーヴェルを見据えてニタリと笑った。
「俺のテクで、完全に壊してやるよ」
その表情にビクリと震えながら、ハーヴェルはしかし、気丈に叫ぶ。
「バ……バカにするなっ!!そんな汚いペニスになんか、僕は負けないっ!!!」
「ねー、たいちょー。もう始めちゃうよ。いい加減、この態度にも飽きたし」
「そうだな。どうせ射精の快楽には勝てないだろう」
それを聞いて、ハーヴェルがはっとして顔を上げ、食いつくように言った。
「なら、これでもし僕が平気でいられたら、兵を引いて包囲を解け!そして和解協議に応じろ!!」
「ハハハハハ、この期に及んで和解か。いいだろう、平気でいられればな。やれ!」
「よーし、いっきまーす」
コールの合図とともに、キンスターがハーヴェルの縄を解き、床に組み敷いた。
そして………。
「おっ…お゛ほっ、お゛ほおおおおおおおぉぉぉぉっっ!!んひぃいいい!あひぃいいっ!!」
5分前まで凛とした顔つきで相手を睨み付けていた少年王は………
白目をひん剥き、涎鼻水をまき散らし、尻をペニスで突かれ、己のペニスから精液を噴射しながら、狂喜の雄たけびを上げ続けていた。
「ん゛はああぁあぁ~♪おひっ♪チンポっ!!おチンポイイッ!!イグイグイッてるゥ~!!!イッてるのぉォほぉぉ!?アヒィイィイィ~♪」
「うわ………。ヨガリすぎだろ………。平気なんじゃないのか?チンポなんかに負けないんだろ?」
コールが呆れを通り越して、もはや引きながら軽蔑するように尋ねると、
「平気じゃないィィ♪だって♪だって♪オチっオチンポこんなにキモひぃにゃんてぇ♪ふひっ!!しゅごい!チンポしゅごひぃ!!チンポには勝てませんでひたあぁぁぁっ♪♪♪」
「………堕ちたな。あっけなく」
白けた目をするコールに引き替え、キンスターは大きな黒目を爛々と光らせながら、少年王の小柄な体に押しかぶさってピストンを繰り返す。
「へへ、たいちょー。やっぱり王族のケツマンは別格だよ。へへ、俺、もう出しちゃうねっ」
ビュルッ ビュルビュルビュクビュク
「ンゴヒャアァアァアァア゛~~!!!!ぐべっ、にゃ、にゃかにぃい!皇帝マンコにザーメンきたああああああああああっ!!!!!おうべえぇぇっぇぇぇ~~~!!?」
ビュロビュロっ ビュクン
眉を八の字に垂らし、大きな目にぎょろっと白目を剥いて、下品なU字型に歪めた口から舌を突き出し、ハーヴェルは長い射精のフィニッシュとともに、聞くに堪えない鳴き声を張り上げた。
「あー。すっきりしたよー。皇帝マンコ最高―。でもどこでそんな言葉覚えてきたのかなー、皇帝のくせに。っていうかたいちょー、ほんとに媚薬とか使ってないのー?」
長いペニスをティッシュでくるんでふき取りながらキンスターが尋ねると、コールは半ば頭を抱えるような恰好でぼつりと吐き捨てた。
「ああ。信じられないだろうが、これはコイツ自身の、自然な反応だ」
「おべ……おほっ…… もっろ……もっろおチンポ……オチンポぉ………」
ビクビクと痙攣しながら、少年王は、涎や涙に鼻水、そして汗にまみれて穢れきった顔でうわごとのように繰り返していた。
後編に続く