性剣ファルシオン

「婚約?君とウードがかい?」

ヴァルム帝国領内の駐屯地。イーリス聖王国軍の軍師ルフレは、王子クロムの娘、ルキナと向かい合って座っていた。驚いた様子のルフレの声に、ルキナは静かに頷き、出された紅茶に少し口をつけて物憂げに続けた。

「ええ、それでその、お父様には二人で挨拶に行ったのですが…全く相手にしてもらえず」
「…まあ、そうだろうね」

本来クロムは娘から結婚話など持ちかけられるような年齢ではない。目の前にいるルキナは絶望に満ちた世界を変えるため未来からやってきた人物であって、こちらの世界のルキナはまだ生まれたばかりの赤ん坊なのである。相手のウードという少年も同じく未来人で、よりにもよってクロムの妹の息子であった。

「確かに彼はちょっと変わった人ですし、いとこ同士でもありますが。それでも、私や王国のことを誰よりも考えてくれてるんですよ。聖王国の宝でもあるファルシオンも丁寧に修復してくれましたし、鞘だってぴったりのものを作り直してくれて」

言いながら、ルキナは腰に帯びた聖剣の鞘を撫でた。婚約指輪代わりだというその鞘を見つめる顔は、赤みを帯びてわずかにほころんでいる。

「妹のシンシアですら果物ナイフくらいにしか思ってないこの剣を、そこまで大切にしてくれる殿方なんて他にいませんよ。それなのにお父様は」
「あー、わかったわかった、わかったからちょっと落ち着こうね」

ルフレは両手を差し出してルキナを制止すると、聞こえないように溜息を落とした。ルキナは頭がよく、正義感も強くて意志も固い。とても少女とは思えないほどしっかりしているのだが、だからこそ、めんどくさい。正論を説いてもクロムの感情を説明しても、きっと簡単には引き下がらないだろう。

「事情は大体わかったけどさ、そういうのはホラ、やっぱり家庭の問題だし。申し訳ないけど僕にはどうしようもないなぁ」
「無理を言っているのは承知です。でも、なんとしてもお父様に認めてもらいたくて。お願いです、何か秘策を授けてくれませんか」

王女に頭を下げられ、ルフレはガリガリと頭を掻いた。生真面目なルキナが真剣に頼み込んできているのだ。適当にあしらってごまかすわけにもいかない。勿論自分がクロムを説得するという手もあったが、ヴァルム軍と一触即発の戦時下で悠長なことはやっていられない。悩んだ挙句、まずいと思いながらも一つの答えを引きずり出した。

「…家内に相談してみるよ」
「え?サーリャさんに?」
「彼女なら大抵のことはなんとかしちゃうからね。でも、どうなっても知らないよ」

ルフレが真っ青な顔で投げやりに言うと、ルキナはまっすぐに軍師を見つめて、力強く答えた。

「お願いします。もともと命を懸けて戦争をしている身です。何が起ころうが、覚悟はできてます」

 

 

 

翌日、ルキナは軍師夫人・サーリャの指示通り、人里離れた谷の奥でクロムを待っていた。一体どうすればよいのかと問い詰めたルキナに、サーリャはいつもの生気のない顔で淡々と言い捨てた。ある場所で二人きりで話し合うこと。そこで素直に自分の気持ちをさらけ出せばいい。ただそれだけだと。

(何が起こるというのかしら)

ルキナは背筋に嫌な悪寒を感じ、腕を抱えて小さく震えた。サーリャといえば、優秀すぎるくらい優秀な黒魔術師だ。いつもろくでもない呪いを考えては、夫や娘を実験台にして研究を重ねている。詳しいことは知らないが、ルフレ達の怯えようを見る限り、サーリャの術になど関わってはならないことは確かだろう…。

(いいえ、私の方から無理に頼んだのですから、疑ったりするのはよくないですね)

腹を決めて顔を上げたところに、不機嫌そうな顔をした若き父がやってきた。

「ルキナ…。どういうつもりだ、こんな所に呼び出して」
「あ、す、すみませんお父様。でもどうしてももう一度、ウードとのことで話がしたくて」
「またそれか。…なあ、せめてこの戦いが終わるまで待ってくれないか。こっちにも気持ちの整理ってもんがあるし、だいたい今は恋愛ごっこをしてる場合じゃないだろう」
「…それを言うなら、皆さんにも言ってくださいませんか。この少人数の軍団の中でいったい何組の夫婦が誕生しているとお思いです」
「ぐっ…それは」
「だいたい、未来に帰れたとして、そこにはお父様はいないんですよ!いつまた会えなくなるかと思うと…私」
「お、落ち着けルキナ。大丈夫だ、今ここにいる俺は死んだりしない。だから、な、ヴァルムと決着がつくまでくらい、待てるだろう?」
「ま、待てません!だって…」

怒鳴りつけるように言ってから、ルキナは急に体中の力が抜けていくような感覚に襲われ、がくりと膝を折った。

「ルキナ!?おい、どうした!…これは…」

ルキナを助け起こそうとしたクロムも、同じようにめまいに襲われ、その場に蹲ってしまう。

「な…なんだ、この強力な瘴気は?敵の罠か…っ!?」

いつの間にか谷のあちこちに薄い紫色の靄が充満している。

「はぁ、はぁ、おとう、さま」

抱きかかえたルキナから漏れた吐息に、クロムはドキリとして娘の顔に目を向けた。いつもは美しいながら男装もよく似合うほどの凛々しい少女だが、今はその顔に妙な色気が浮かんでいる。うっすらと汗の浮かんだ艶めかしい表情に、思わず息を呑む。

(こんな時に何を考えてるんだ俺は…!しかも相手は自分の娘だぞ…)

冷静になろうと努めるほどに劣情が膨れ上がってくる。何か変だと気付いたころ、ルキナがおもむろに立ち上がった。

「うふふ、素直になればいいのですね…素直に…」
「ルキナ…?」

朦朧とする頭を上げて娘の顔を見上げると、そこには見たこともない表情があった。口や目つきがいびつに崩れ始め、妖艶というよりも厭らしいといった形容がふさわしくなっている。口端から一筋の涎を垂らしながらマントと上着を脱ぎ捨て、ルキナは頭の上で手を組み、伸びあがった。

「うふ、戦争が終わるまで待てって仰いますけど、待てるわけないじゃありませんか。だって…」

言いながらクロムに歩み寄り、大きく股を開いた。今度は片手を頭の後ろにあて、もう片方の手で自らの股間をゆっくりとなであげる。

「オマンコが寂しいじゃないですかぁ」
「なっ…!??」

クロムの鼻先にあるタイツの下から、蒸れるような熱気と雌の臭いが漂ってくる。ルキナは見せつけるように股間をくねらせながら、

「私だって一応、女の子なんですよ。そりゃあ、おチンポが恋しくもなるじゃありませんか。どの陣屋の前を通っても喘ぎ声が聞こえてくるような環境なんですから、なおさらです。もちろん既にウードの聖魔剣(ホーリーデビルソード)は何度かくわえてますが、親の目を忍んでとなると毎日はできないでしょう?彼、あれで結構チキンなのですぐに遠慮しちゃいますし」

「お…お前、何を言い出すんだ」
「ですから、私としてはちゃんとお墨付きを頂いて、毎晩気兼ねなくズッコンバッコンしたいわけなのです。ね、許してくださいますよね、お父様?」
「ば、ばかもん、余計許せんわ!」

真面目な娘の豹変ぶりにどう対処していいかわからず、クロムは後ろ手で後ずさる。そんな父を、ルキナはポーズを変えずに、タイツごしに股間をさすりながらゆっくりと追いかける。掲げた脇の下は汗で濡れ、大きなシミができている。

「お父様…酷いです。ご自分は二人も子供つくっておいて…」
クロムが壁際に追いつめられると、ルキナは満足そうに微笑み、やがてタイツを脱ぎ始めた。
「なっ、なんだその下着は!」

現れたのは、布の面積が極端に少ない、というより、ほとんどただのヒモ状態の下着だった。もはや下着の用を為していないため、見た目に反して豊満な胸や青い陰毛に覆われた女性器がむき出しになっている。

「お母様にプレゼントしたかったのですが、残念ながら気に入っていただけなかったので、自分で使うことにしました。あ、戦闘しやすいように上からいろいろ着ていましたが、本来はこれ下着じゃないんですよ」

そういえば、ルキナのセンスは壊滅的におかしいと妻が嘆いていたな…などと一瞬思い返していたクロムだったが、娘の全裸を間近で見せつけられていよいよ思考が正常でなくなっていくのを感じた。興奮しているのはルキナも同じようで、既に濡れた性器をぐりぐりと指でいじっていたが、何を思いついたか急に上着を捨てた場所へ引き返していった。そして落ちていた聖剣ファルシオンを持って、クロムのもとへ戻って来る。

「ふふ、やはり指だけじゃ満足できませんね。私の編み出した画期的なオナニー、お父様にも見て頂きましょうか」

そう言うとルキナは聖剣の鞘に手を移し、柄を自分の性器にあてがった。

「ファルシオン…。祖国イーリスに代々伝わる伝説の剣にして、未来におけるお父様の形見。そして今では、ウードとの愛の証でもある大切な剣。それをこうすることで…んんっ!」

立ちあがる気力も失い茫然と見ているしかないクロムのまさに目の前で、聖剣の柄はゆっくりとルキナの膣に吸い込まれていった。

「こ、こうすることで、命よりも大切な国とお父様、それにウードと、まとめてひとつになれる(ような気がする)のです!どうですかお父様!これが私の編み出した新たなる自慰行為、名付けて『ファルシオナニー』ですっ!ふぅっんっ!おほぉっ」
「ル、ルキナ!馬鹿な真似はやめろ!」

クロムの静止など聞く耳も持たず、ルキナはガニマタで立ったまま激しく剣をかき回し、美しい青髪を振り乱してよがり狂う。次第に大きくなる喘ぎ声と卑猥な水音が谷の中でこだまし始める。

「おっほおおおぉぉ~!!ひゅご、ひゅごひゅぎでひゅうぅ!ファ、ファルシオナニーしゅごひぃいいい!!んひぃいいっ!!」

一心不乱に聖剣を抜き差しし続けるルキナ。欲望にぎらつかせた目を全開にし、大口をあけて涎を振りまくその顔に、普段の凛々しさは影も形もなかった。口元に粘ついた鼻水を光らせ、下品な喘ぎ声を響かせている。彼女の体液にまみれた聖剣の柄は何の規則性もないまま激しく振り回され、酷い時には根元まで性器の中にめりこむ。もはやルキナが完全に瘴気にあてられているのは明らかだった。

「おい!しっかりしろルキナ!ルキナッ!!」
「ひぎいっ!イイとこついたぁ!イクッ!イッちゃいましゅう!」

ルキナが聖剣を引き抜き、クロムの顔に股間を押し付ける。

「お、お父様、見ててくだしゃいいぃ!本気でイきますっ!!」
「ぬわああっ!!」

プシャアと音がしたかと思うと、クロムの顔に勢いよく潮が吹きかかる。立ったままガクガクと痙攣しながら、ルキナはジタバタともがこうとするクロムの頭を抑えつけ…

「ま、まだです。あっ、出る…」

ジョロオオオオオオオオオオオオ…

クロムの顔目がけて容赦なく黄色い小便をぶっかけた。

「ぶわっ、馬鹿、よせっ!げほっ、ごほっ」

長い放尿を終えると、ルキナはとろけきった顔をして気持ちよさそうに長い息を吐いた。クロムの方は娘の淫液と尿にまみれて、白目を剥いて痙攣している。

やがてルキナはほぼ全裸の状態のまま、クロムの上に馬乗りになり、彼の腰に手をかける。クロムが瘴気の影響とショックで動けないでいるうちに、あっさりとパンツまで下ろしてしまった。

「ル、ルキナ、いい加減にしろ。これ以上何をする気だ」
「あはっ、お父様ったら。そんなこと言って、おチンポはすっかり元気になってるじゃないですかぁ」

いくら自分の娘だとはいっても、目の前にいるのは年頃の美しい娘なのだ。目の前で乳や性器、オナニーさえ見せつけられたあげく、小便までかけられては、興奮するなと言われても無理な話だ。おまけに立ち込める瘴気の影響か、いつも以上に性欲が高ぶっている。

「お父様も気持ちよくしてあげますよ。最近はお忙しいようでしたし、結構たまっているのではありませんか」
「結構だ!早くそこをどけ!」

精一杯強気に怒鳴ってみたものの、ルキナはまるで気にする様子はない。嬉しそうに微笑みながら、仰向けに倒れた父親の上にうつ伏せにのしかかり、勃起したペニスを両手でつかむ。

「あら、さすがは聖王国の正統な継承者。立派なおチンポですよお父様!ウードのアーマーに覆われた短い聖魔剣(ホーリーデビルソード)もあれはあれで愛嬌がありますが、やはり男子たるものズル剥けの巨根であるに越したことはありませんものね!」

「う…頼むからそこをどいてくれ、ルキナ、んんっ」

クロムの顔にはちょうど娘の股間が覆いかぶさっており、濡れそぼった陰毛が鼻や口元を覆ってしまっている。自慰と放尿をしたばかりでもあって、先ほどとは比べ物にならない淫臭がクロムを襲う。ルキナの方はというと、父の若々しいペニスをうっとりと見つめ、しばらくフゴフゴと鼻を鳴らして臭いを堪能していたが、

「ああ、やっぱり生のおチンポの生臭さはたまりませんね。ふふ、相手がお父様なら、浮気にはならないでしょう」

勝手なことを言いながら、ついにそそり立ったペニスをパクリと咥えこんでしまった。

「ひっ、馬鹿もん、何をして…あぎゃああああ!?」

押しのけてでも抵抗しようとしたクロムだが、下半身に激痛が走って悲鳴をあげる。ルキナがペニス周りの陰毛を思いっきり引っ張ったのだ。

「お父様、無駄口たたいている暇がおありなら、私のヴァギナも舐めてくださいませんか。噛みちぎりますよ」

チン毛をパスタのように巻きながら、振り返ってそう言うと、ルキナは再びペニスを咥え、軽く歯を立てた。

「ぎいっ!?やめろっ!わかったから、それだけはやめてくれ!」

恐怖に半泣きになりながら、クロムは舌を伸ばして娘の股間をベロベロと舐め始める。尿のしょっぱさにえずきそうになるが、そのたびにルキナが股間を顔に押し付けてくる。

「うふふ、やふまないれくらひゃいね。んぽっ、ああ、おひんぽおいひいれふぅ」

片頬をペニスで大きく膨らませ、ルキナは父の性器を根元から味わい尽くす。涎と先走りでびっしょりと濡れたクロムの陰毛は、まだ引っ張り上げられたままだ。

「ひぎいい!毛、チン毛がちぎれるッ!」
「ああ、うるはいれふね…ガブッ」
「ンギャアアアアアアアーッ!!?」

フランクフルトでも食べるように容赦なくペニスを噛まれ、クロムは白目を剥いて悲鳴をあげる。狂ったように下半身をばたつかせるので、ルキナは慌てて顔を上げた。

「くっ、少し噛まれたくらいで情けない…。それでも聖王子ですか!」

歯型までついて真っ赤になったペニスにビンタを見舞うと、ルキナはそのまま上体を上げてクロムの顔を椅子代わりに座りこんだ。

「むぶぅううう!い、息がっ」
「あは、お父様ったら。悲鳴ばかりあげてる割には、おチンポはますますガッチガチになってるじゃありませんか。も
しかしてマゾヒストなのですか?汚らわしい。
あ、昼食後に体動かしてたものですから…オナラが」

ブウーッ

「はぎゃあああああああっ!!!」

クロムはゼロ距離で屁をかまされ、断末魔のような悲鳴をあげて激しく痙攣していたが、そのうち動かなくなってしまった。ルキナもさすがに心配になって、父の顔から腰を上げる。

「どうやら気を失ってしまったようですね。それにしても酷いお顔…。普段のクールな姿からは想像もつきませんね」

大の字になって倒れたクロムの顔は、まるで絞殺死体のようにすさまじい形相をしていた。完全に白目を剥いた目から涙があふれ、広がった鼻の穴から鼻水があふれかえっている。大きく開いた口からぐにゃりと舌が飛び出し、口元では泡を吹いている。いつの間にか失禁までしていたらしく、尻の下には黄色い水溜りができていた。そんな姿になってなお、股間からは大きなペニスがそそり立っている。

「いつまで寝ているおつもりですか」
「ぐうっ」

ルキナが頭を蹴飛ばすと、クロムは息も絶え絶えながら意識を取り戻した。

「ル、ルキナ…も、もうこれくらいで勘弁してくれ…。体がもたん…」
「なら、ウードとの婚約を認めてくださいますか?」
「う、うむ…それとこれとは…」
「あら、意外としぶといですね。少し見直しましたよお父様。ふふ、なら、いよいよファルシオンの出番ですね」
「…?な、なにをする気だ…?」

ルキナは自分が作った方の小便溜まりからファルシオンを拾い上げ、鞘に収まったままの剣先をクロムに向ける。

「ふふ、前に話しましたよね。この鞘は、ウードが私のために作ってくれたものなんですよ。私にとっては、彼との愛の証…」
「…ちょっと待て。嫌な予感がする」
「彼の私への想い…。是非お父様にも、体で感じて頂けたらなと」

ルキナはニコリと笑いながら、倒れたクロムの肛門に剣先をあてがった。

「やめろっ!!それだけは、それだけは絶対にダメだ!」
「聖王国の心である聖剣を受け入れらないと仰るのですか」
「お、お前の言ってることは滅茶苦茶だ!というか、とがってるから!かなりとがってるから!」
刃先に合わせてピッタリ造られた鞘は、刃先に合わせてよくとがっていた。
「意外と怖がりなのですね…。あくまで鞘なんですから、間違っても死ぬことはないですよ。多分」
「じょ、冗談じゃない!いくら娘だからってな、やっていいことと悪いことが…ぎゃあ!」
「少し大人しくしていてくださいね」

ファルシオンでクロムの頭を殴り倒すと、ルキナは地面に広がっていた尿を掬い上げて父の肛門にぬりたくり、指を突っ込んでならしていった。

「あらいやだ。お尻の毛がびっしり。今度剃ってあげますからね。…と、これくらいでいいでしょう」

ルキナはクロムをうつ伏せにひっくり返すと、両手で聖剣の柄を握りしめ、鞘ごと剣を父の肛門へと一気に突き入れた。

「うぎゃああああああああああああああああッ!!!」

悲鳴を上げてクロムが飛び起きた時には、太い鞘はずっぽりと尻の中へ入り込んでいた。

「ぐあああっ!!尻がっ!尻が裂けるっ!ヒギィーッ!!」
「そんなこと仰って、おチンポは喜んでらっしゃるようですよ」

馬のように突き出した尻から剣を生やしながら、その下でブルブルと震えるペニスはやはり硬度を保ったままだ。

「皆の憧れの的の聖王子様も、こうなるとまるで雄豚ですね。ブタならブタらしく鳴いてみてください」

剣をグリグリと揺り動かしながら、ルキナは父の金玉を力いっぱい蹴飛ばした。

「ブヒィイイイイイイイイイーッ!!」

再び白目を剥き、ブタ同然に醜くのたうちまわるクロム。それがツボに入ったのか、ルキナはしばらく腹を抱えて笑っていた。やがて落ち着くと、父の尻から飛び出た剣に手を添え、

「はー、ぷっ、くく、最高ですお父様。でもそんなに気持ちよさそうによがられると、私までムラムラしちゃうじゃありませんか。というわけなので、私はこっちを失礼して」

と、自分の肛門をくぱあと広げ、ファルシオンの柄を突き入れた。

「はひぃっ!?お、おマンコとはまた違った快感!ケツ穴がこんなに気持ひいなんてっ」
「んがああっ!死ぬっ!尻を貫かれて死んじまうっ!!」

ルキナの体重で、クロムの尻にはますます深く剣が突き刺さる。一本の剣で繋がった親子は、大声で叫びながら激しく揺れ合い、その振動が相手を刺激する。

「アヒィィッー!!しゅごいいい!ファルシセックスさいこおぉっほおおぉ~ッ!!」
「グヒィィッー!!死ぬうぅぅっ!む、娘にケツ穴掘られて、死んじまうゥ~ッ!!」

眉をハの字に垂らし、白目を剥いて舌を突出し、犬のように涎を垂らす。ブタのように広げた鼻孔から長い鼻水や鼻提灯をひっきりなしに飛び出させ、顔全体をブルブルと震わせる。普段は聡明さがひしひしと感じられる端正な顔をした聖なる親子。今となっては、片や快楽に、片や苦悶に醜く歪み、そろって間抜け極まりないアへ顔を晒していた。
中腰でガニマタになり、頭の後ろで腕を組んで踊り狂うように腰を振るルキナ。汗まみれの体全体から汚臭を放ち、性器からはまたしても小便が噴出している。家畜のように尻を掲げて四つん這いになったクロムは、娘の体重を尻に刺さった剣だけで支えながら、それでも固くなったペニスを床にこすり付けている。やがて二人の喘ぎ声が谷中の空気を震わせるほど大きくなったころ、親子はほぼ同時に狂ったような雄叫びを上げた。

「アッヘエエエ゛~ッッ!!ケツマンコでおマンコ吹くうぅぅぅっ!!」
「オッヘエエエ゛~ッッ!!尻犯されてチンポミルク吹くうぅぅっ!!」

ルキナの膣から再び潮が、クロムのペニスから精液が吹き上がると、二人は一気に力が抜けたようにがっくりと倒れこんだ。親子はしばらく痙攣を繰り返していたが、そのうち尻に剣を突き刺したまま、アホ面を晒して気絶してしまった。

「…で、どうするの、これ」
「…知らないわよ。放っといてもいいんじゃない」

日が落ちかけ、谷から紫の靄がすっかり晴れあがったころ、イーリスの軍師夫婦は全裸で無様に倒れている王子親子を前に途方にくれていた。

「色恋沙汰なら、色欲を増長させればなんとかなると思ったのよ…。聖なる血を引く王族と言っても、一皮むけばまるで獣ね。うふふふふふ」
「まったく、君ってやつは…」
「何よ。あなたの頼みだから協力してあげたんじゃない」

軍師ルフレは溜息をつきながら、とりあえず二人の尻から聖剣を抜いてやった。

「これじゃ、マイナスにはなっても、なんのプラスにもならないね」
「そうかしら。私はうまく行ったと思うけど」
「どこがだよ…」
「うふふふふ、貴方にも読めないことがあるのね」

全裸のまま夜の谷底に寝かせておくわけにもいかないのでどうしたものかと様子を見ていたが、幸いクロムが早く目覚め、ルキナを背負って帰ってくれたので、ルフレは一応安堵の息を吐いた。だがこの先ルキナの顔をまともに見れないなと思うにつけ、頭を抱えてまた溜息をつく。彼の背後を歩くサーリャ夫人はしかし、暗い表情の中にも何かをやり遂げたような清々しさを漂わせていた。

翌日、クロムは朝から自分の陣屋のベッドで寝たきりになっていた。激痛で腰が動かないのである。皆には体調不良といってごまかしてあるが、娘に掘られて寝たきりという体たらくが情けなくてしょうがない。と、そこへ沈痛な顔をしたルキナがやってきた。

「…お父様、昨日はとんでもないことを…。本当に申し訳ございません。なんとお詫びをしたらよいか」
「ああ、もういい。気にするな。どうも妙な妖気が漂っていたようだからな。お前のせいじゃない」
「し、しかしっ」
「いいって。心配するな。何があろうが、俺はお前を嫌いになったりはしないさ。親子なんだしな」
「お、お父様っ」

泣き出してしまったルキナをなぐさめ、その後落ち着いたルキナとゆっくりいろいろな話をしているうちに、クロムはふと思った。こうしてゆっくり話をする機会も、本音をさらけ出すような機会も今までそうそうなかったことだ。
(なんだかんだで、距離が縮まったかもしれんな)
娘の無邪気な笑顔を見ながら、自嘲気味に苦笑する。そんな父の様子を見て、ルキナが顔を赤らめながら、おずおずと切り出した。

「あ、あのですねお父様。昨日の今日で何なのですが。その…すっかりお尻に目覚めてしまいまして。お父様さえよければ、また二人で…」

クロムはニコリと笑って即答した。

「ウードとやってくれ」

こうしてイーリス軍にまた一組、公認カップルが誕生した。

(完)