どうしたって叶わない絵空事だろうが

僕の兄さんは、悪魔だ。

だからこそ、危険だし監視が必要だからという名目で、無理言って2人部屋にしてもらった。兄の方も露骨に嫌がっていたものの、「祓魔師になりたいなら、少しの不自由くらい我慢しないと」と言えばどうにか納得してくれた。

それはいいんだけれど、やっぱりこの歳になって兄弟で相部屋というのは耐え難い不自由もあって………。

いつもは僕が授業の準備をしてる間にさっさと寝てしまう兄さんが、たまに今日のように(僕の)漫画を読んだりしながら、やけに遅くまで起きている日がある。そっと視線をやると、チラチラこちらの様子を伺いながら、しきりに顔を擦っている。よほど眠いのか、欠伸が絶えない。………やれやれ。これ以上遅くなると、絶対起きないんだろうな。

「じゃあ兄さん、僕はもう寝るから。兄さんもそろそろ寝なきゃダメだよ」
「おーおー、わーってるって」

待ちかねたと言わんばかりの笑顔だ。まったくもってわかりやすい。僕は聞こえないようにため息をついて、向かいのベッドの兄さんに背を向ける恰好で丸まった。

「………ゆきおー」

5分も経たぬうちに、兄さんが小声で呼びかけてくる。

「………おーい、ゆきおー。寝たかー?」
「………」

兄さんじゃあるまいし、そうそうすぐに寝られるものじゃない。でもお互いのため、あえてここは無視だ。

「………うっし、やっと寝たか」

兄さんは起き上がって手際よく部屋の電気を消すと、すぐにまた自分の布団に飛び込む。

 

 

数分後。

「はぁ、はぁっ、んふっ」

グチュグチュという音とともに、喘ぎ声が聞こえてくる。こっそり寝返りをうって兄さんの方を伺うと、仰向けになって股をおっぴろげ、股間のあたりを激しくまさぐっている、そんな不格好なシルエットが目に入る。

「んおっ!ふぅ、ふぅっ………んっ」

まったく、はしたない姿だ。双子の兄の厭らしい喘ぎ声なんて聞きたくもない。とはいえ、無理矢理相部屋にしたのは僕の方だし、兄さんとしても自由に自慰行為ができないのは不便だろう。ここは我慢だ。

兄の行為は長い。いつものように、喘ぎ声と水音を子守唄に微睡んできた時………

「ふひっ!ひぐぃいっ!?んぐううっ!はぎいぃっ!!」

突然兄の喘ぎ声が悲鳴に代わり、僕は眠気も吹き飛んで思わず兄さんに目を向けた。
だいぶ目が慣れたおかげで、向かいの様子もさっきよりは随分はっきりわかる。
兄さんは、うつ伏せになってシーツを掴み、膝を曲げて尻を大きく天井に突きだしていた。そしてその尻に、悪魔の尻尾が突き刺さっている。

………呆れて瞬きもできなかった。いつの間にこういうことを覚えたんだ。確かに最後まで兄さんのオナニーを見届けたことはなかったけれど、まさかここまで酷いものとは思わなかった。

「んんっ!!フーッ!フーッ!フギーッ!!」

兄さんはシーツを噛んで必死に声を抑えているようだが、獣のような声が部屋中に響いている。尻尾で尻を犯しながら、ペニスもしっかり扱いているようで、グチュグチュという不快な音が二重になって聞こえてくる。尻尾の刺さった尻を突出し、左右に大きく振っている姿は人間とも、悪魔にさえも見えない。醜い獣だ。

これ以上見てられない。馬鹿でスケベなのは知っていたが、今日という今日は、弟としてしっかり叱ってやるべきだろう。

「そこまでだよ、兄さん」
「!!!!!んごあぁぁあっ!?ゆきお!?!? ゴツン  うがっ!!」

電気をつけて声を掛けてやると、兄さんは思わず飛び上がり、低い天井に頭をぶつけて悶絶する。やっぱり馬鹿だ。

「なななな何で起きてんだよ!卑怯だぞ!!」

僕が寝床を出て近寄ると、兄さんは片手で頭を押さえ、背が壁に引っ付くまで布団の上を後ずさり、空いた手と足で威嚇してくる。だがペニスはまっすぐに天井を指し、尻には依然として尻尾が深々と刺さっている。

「兄さん。悪魔の体も随分と気に入ったようだね」
「なっ、ぬぁに言ってやがる!これはだな、アレだ!そう!あ、悪魔が俺の尻尾に憑依しやがったんだ!!」
「へえ。それは大変だね。抜くの手伝ってあげるよ」
「ひっ、やめっ あひいいいいいぃぃぃ!?」

無理矢理引き抜こうとしたものの、どうやら先端が引っ掛かってるようでなかなか抜けない。

「ん?抜けないね。えい、えいっ」
「ぎゃああああああっ!!やめっ、やめろっやめてくれってゆきオホォオォ~!?」

なんとか尻尾を抜いてやると、兄さんが暴れ回るせいでブルブルと跳ねまわっていた勃起ペニスから、ビュッと短く精液が噴き出した。

「あっ」

そしてそれが枕元に置いたままになってた(僕の)漫画に引っ掛かる。もう許せないよ兄さん。

「ちょっと兄さん!僕の漫画、変な汁で汚さないでよ!!まったく、触れてもないのに射精するなんて!」

僕が怒鳴りつけると、兄さんは鼻をすすりながら、涙目で睨み返してくる。

「清らかな汁だっつーの!だいたい、悪いのはお前だろうが!人のオナニー邪魔して楽しいかよ!」

ふぅん。そういう態度とるんだ。これはお仕置きが必要のようだ。見ると兄さんのペニスはもうムクムクと立ち上がり、先端を厭らしく光らせている。これはまだまだ溜まってるね。ちょうどいいや。兄さんの淫乱は直りそうにないから、精液の方を空っぽにしてやろう。そうすれば、しばらくは大人しくしてるだろう。
兄さんはフゥフゥ言いながら、牙を剥き出して酷い目で睨んできている。これは下手に扱うと危険だ。

「ふぅ、悪かったよ兄さん。悪魔が尻尾にとりついたって言うから、助けようと思って。オナニーとは思わなかったんだよ」
「うぐっ!」

ちょっと筋を通してやればすぐに顔を赤くして黙り込んでしまう。兄さんは本当に扱い易い。

「い、いいよもう!ホラ、とっとと寝ろよ。俺も寝る!」
「待って兄さん。まだ苦しそうだね、そこ」

膨れたペニスを指して言うと、兄は慌ててパンツを上げて隠そうとする。まず拭けよ。

「ちょっと待ってってば。この機会に、お願いがあるんだ」
「どんな機会だよっ!」
「他に頼める相手がいないんだよ。手を貸してくれないか?」

兄の顔がパッと明るくなる。

「へっへっへ~ しょ~がねぇ弟だなぁ?この俺が手を貸してやらんこともない…!」

尻尾をパタパタ振りながら、嬉しそうに胸を張る兄さん。弟の頼みというものに弱すぎる。いい兄なのかも知れない。思わず胸が熱くなってしまうが………。でもそれ以前に、やっぱり馬鹿だこの人。

「で、何だよ。てか、パンツ履いていいか?」
「そのままそのまま。実はね、対悪魔薬学の研究にどうしても必要なものがあって」
「ほぅ、何だよ。おにーさんに言ってみなさい」

もうすっかり機嫌が直ってるようだ。ペニスも尻も丸出しで、腕なんか組んじゃって。

「悪魔の精液…なんだけど」
「は?」
「だから、悪魔の精液。兄さん悪魔でしょ?」
「はああっ!? ゴツン いだっ!」

勢いよく立ち上がった兄さんがまた頭をぶつける。

「ぐっ、し、知るかそんなもん!他を当たれ」
「無茶言わないでよ。頼む兄さん、それがないと研究が進まないんだ」

どんな研究だよ、とは、兄さんは聞かなかった。聞いたところで自分にわかる話でもないと思ったのだろう。正しい判断だ。でも、僕にもさっぱりわからない。

「ちっ、じゃあホレ、返す。これ使えよ」

と、兄さんは笑いながら、精液のべっとりついた僕の漫画を突き出してきた。ふぅん、やっぱり徹底的に搾り取ってやった方がいいね。

「量がいるんだよ。これっぽっちじゃ全然足らない。もしかしたら兄さんでも、耐えきれないくらいの量なんだ」
「なにぃ?上等だよ。兄の精液を強請る弟クンに、好きなだけ恵んでやろうじゃねーの!お前のせいで最近全っ然抜けてなかったからな」

乗ってきた乗ってきた。でもあんなこと言ってるけど、僕が知ってるだけでも週に3回はきっちり抜いてるはずなんだけどな。

「で、どうすりゃいいんだよ。バケツでも持ってくるか」

兄が冗談めかして言うものだから、僕も笑顔で答える。

「ははは、バケツなんて大げさだなぁ。掃除機で充分だよ」
「なんだ掃除機かよー、ってそうじきぃ!?」

僕は部屋の隅から中型の掃除機を引っ張り出してきた。フィルターがなく、直接本体にゴミが溜まるタイプだ。ちょうど昼に洗ったところなので、中は綺麗になっている。

「ホラ、後ろが半透明で中の様子が見えるでしょ。半分くらいまで溜まれば充分かな」
「おまっ、俺を殺す気か!てか、ありえねーだろ掃除機って!お前、研究とか何とか言って、それ今思いついたんだろ!」

おっ、それくらいの頭はあるんだ。安心したよ兄さん。でもそんなことはどうでもいい。

「兄さんなら大丈夫だって、じゃ時間もったいないし、もう始めるね」
「ちょっ、待てって雪男っ あぎ、あぎゃあああああああああああああっ!?」

そそり勃ったままの兄さんのペニスにむりやり筒をはめ込みスイッチを入れる。なんというフィット感だ。たまたま筒の大きさが兄さんのペニスにぴったりだったらしい。もう面倒だから最初から強でいいだろう。

「アヘェええええええええええぇぇっ!?ひぃっ、やめろ雪男!ひいいいいいいっ!いでっ、痛てえっ!?毛がっ、毛があああああああああっ!!!」

毛?ああ、筒が根本までぴったり嵌っているせいで、その下にある陰毛の森がごっそり巻き上げられるよに引っ張られている。

「へー。兄さんって結構下の毛濃かったんだね。ちょうどいいじゃない。無駄毛処理になるかもよ?」
「ひいいいいいいいいいっ!?チンポっ!?チンポも取れるっ取れちまうよおっ!!!!!?」

あらら、ダメだな。もう冗談も通じないや。こんなに怖がってちゃ射精どころじゃないかも。お、そうだ。

「兄さん、さぁ、オナニー続けて」

ズボッ

「ひげええええええっ!?」

力なくひくついていた尻尾を尻の穴に突っ込んでかき回してやる。

「あぁっ!んはぁっ!すげっ、しゅげえよ何コレぇ!?ケツもチンポもしゅごいっ、チンポがっ!チンポがあああああああっ!?」

よくわからないけど、取りあえず効果は抜群のようだね。もはや僕が触らなくても、尻尾は槍のように激しく兄さんの尻を突きまくっている。こうなると僕が暇だな。とりあえず金玉でもにぎっておこう。

「ひがあああっ!タマっ!タマまでぇっ!?ふげえええええっ!?アヒィイィ!?もうおりぇ、ギモチよしゅぎて、しんじまうよおおっ!バカに、バカになっひゃうぅ!!アヘエエエエエエエエエエっ!?」

これ以上馬鹿になったら大変だよ。にしてもひどいヨガリようだ。完全に白目を剥いて、鼻の穴を広げ、舌を突き出している。

「酷い顔だね兄さん。涎も鼻水も垂れ流しだよ」
「ヒィィィィ!ゆぎお゛ぉっ!ゆるひて!もうゆるひてぇ!」
「ならちゃんと謝ってよ。変態でごめんなさいって。尻尾を尻に突っ込んだあげく、僕の本まで汚しちゃって」
「はいいっ!ごめんなひゃいいいい!!変態でごめんなひゃい!ケツに尻尾突っ込んで変態オナニーしてぇっ!雪男の漫画に汚いオス汁ひっかけてすみまひぇんでじだあぁぁ!ゆるひて!変態兄貴をゆるひてぇぇぇえ!おヘェェェェェ!」

ふむ、なかなか素質がある。もしやとは思っていたけど、やっぱり変態だよ僕の兄さんは。

ビュルルルルッ

「あ、出た。すごい量だよ兄さん。掃除機がまるでミルクサーバーみたいになってるよ!」
「ぎょえええええええぇぇっ!でてりゅっ!?俺のチンポミルク出てりゅううっ!!」

屈辱だ。僕としたことが。こんな変態に、こんな悪魔に、そして、自分の兄に…欲情してしまうなんて。

「まだ足りないよ兄さん!僕も応援するから頑張って出して」
「んごおっ!?」

気が付いたら兄の口の中にペニスを突っ込んでいた。ぐっ、牙が刺さる。下手をすれば噛み切られる。でもなんという舌触りだ!やはり悪魔のクチマンは人間なんかよりずっといい。

「間違っても噛まないでね兄さん。優しく、舐めてねっ!」

兄さんの頭を掴んでペニスをのどの奥まで突き入れる。

「グオオオオオオオオっ!?」

兄の尻では未だに尻尾が踊っており、ペニスからは精液が蛇口を全開にしたように流れ続けている。顔はというと、口いっぱいに僕のペニスを咥えながら噛まないように必死に口を尖らせ、タコのような醜い顔になっている。噴き出す鼻水で僕の陰毛がワカメのよう広がって兄さんの顔に張り付く。

酷い姿だ。
悪魔とは、こんなに醜いものか!
しかし、それがかわいいよ兄さんっ!!

ビュルルルルルルルルっ

「んごほひぇぇぇぇぇえええ!?」

1週間分の僕の精液が、兄さんの口中ではじけ、口の端や鼻の穴から勢いよく噴き出す。僕がゆっくりペニスを抜くと、兄さんは布団に倒れ込み、しばらくビクンビクンと激しく痙攣していたが、やがてアヘ顔のまま気絶してしまった。幸い僕のペニスは無事だ。兄さんも、眉尻を下げ、嬉しそうに口端を大きく歪めたあのアヘ顔をみる限り、まんざらでもなかったようだね。よかった。何も考えずに動いてしまったが、今回ばかりは結果オーライのようだ。

「あっ」

僕は兄さんの尻尾を引き抜いてから、頬を叩いて意識を呼び戻した。

「兄さん、見てくれよ。信じられるかい?目標達成どころか、タンク一杯になっちゃったよ!」

空だったはずの掃除機のタンクには、兄さんの精液がなみなみと溜まっている。冗談抜きで、小さなバケツ一杯分はあるかもしれない。掃除機はもはや、兄さんの特製チンポミルクサーバーになっていた。

「あひっ、あへっ、す。すげえ、だろ。兄ちゃん、すげえ、だろ」

汁まみれの顔をこちらに向けて、兄さんが微笑んだ。確かにすごい。いいことかはともかく、この精力も悪魔の力なのだろう。僕は自然と兄を抱きしめ、2人してそのまま眠ってしまった。

 

 

 

あの日からというもの……

「なぁなぁ雪男―♪俺もう、だいぶ溜まったぜ?そろそろまた絞ってくれよ」

兄はますます変態になってしまった。

夜になると全裸になって、尻尾を突っ込んだ尻を振りながら誘惑してくる。僕たちの父親って、サタンじゃなくてインキュバスか何かだったのでは……

「なんだよゆきおー、つれねぇなぁ。うっし、じゃお前、いいから寝てろよ。今日は俺がケツに挿れてやるよ、ハハハハハ!」

ああ神父(とう)さん。僕は今日も、悪魔の安っぽい挑発に乗って淫欲に溺れてしまいます。こんなことで最強の祓魔師になれるでしょうか……

 

(完)

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