調教

本当はマゾ

「おい、佐川」「えっ、な、なにかな」昼休み、俺が声をかけると、佐川はいつものように小さな体を震わせた。このビクビクした態度には、毎度イライラさせられる。佐川はクラスに一人はいるような、真面目で大人しく影の薄い、勉強しか能のないような優等生だ…

わがままな王子様※

むかしむかし、とある国に、わがままな王子様がいました。欲しいものは何でも与えられて育ったために、どんな願いでも望めば叶うと思っていたのです。実際その通りでした。成長するに従って横暴になる王子様に、国民や大臣はもちろん、父親の国王様ですら頭が…

兄と弟

「光也、友達でも来てるのか?」光也が居間でゲームをしていると、部活を終えて帰宅した兄が、ドアから顔を覗かせて声をかけてきた。「そーだけど」「あ、矢倉先輩。邪魔してまーす」「こ、こんにちは」顔も向けない弟に代わり、友人たちが返事をする。「おう…

帝国の落日・被虐の騎士※

『帝国の落日・プロローグ』の続編です。   「どこだ………ここは」目が覚めると、真っ白な空間だった。家具も何もない、全面白塗りの密室。ただ、天窓から差し込む光が壁や床に反射して、妙に眩しい。そして、そんな純白の…

帝国の落日・裸の王様(後編)

『帝国の落日・裸の王様(前編)』の続きです。   調教4日目いつものように2人が部屋に入ってくると、少年王はハァハァと息をつきながら、トロンとした顔を向けた。「おいおい、昨日まではかっこよく睨み付けてきたくせに…