変態化

Dr.ゲドー診療所※

昼間でもすっかり肌寒くなり始めた秋の午後。いえ、もう日は傾いていますが。精神科医というのも昨今は随分と忙しくなっちゃいましたが、まぁ私のような怪しい開業医を頼ってくる人は少ないものでして。今日はもう予約の患者さんは皆さん帰られましたし、どう…

Dr.ゲドーVS天才ハッカー(後編)

※『Dr.ゲドーVS天才ハッカー(前編)』の続編です。    ……危ないところだった。赤峰健太は、パソコンを抱えて街を歩きながら、ほっと息を吐いた。天才ハッカー、ヘラクレスともあろうものが敵の仕掛けた…

Dr.ゲドーと男根信仰(下)

※『Dr.ゲドーと男根信仰(中)』の続きです。    無情な恐喝屋、二崎が醜いブタに成り下がってから数日。京都の珍宝寺に泊まり込んでいた私は、珍念和尚とともにパソコンの画面を覗きこんでいました。悪徳企…

帝国の落日・被虐の騎士※

『帝国の落日・プロローグ』の続編です。   「どこだ………ここは」目が覚めると、真っ白な空間だった。家具も何もない、全面白塗りの密室。ただ、天窓から差し込む光が壁や床に反射して、妙に眩しい。そして、そんな純白の…

帝国の落日・裸の王様(後編)

『帝国の落日・裸の王様(前編)』の続きです。   調教4日目いつものように2人が部屋に入ってくると、少年王はハァハァと息をつきながら、トロンとした顔を向けた。「おいおい、昨日まではかっこよく睨み付けてきたくせに…

緑色のコブタ

「くそっ、香穂のやつ………!」土浦梁太郎は悪態をつきながら、誰もいない屋上のベンチにどっかりと腰を落とした。「あいつなら………わかってくれると思ったのに」寒空の下、頭を抱えながら、彼は最愛の人の姿を思い浮かべていた。寂しそうな、日野香穂子の…

敗北者・奥州筆頭

大坂城、本丸。外は戦乱の真っただ中で、剣戟の音や、馬の嘶き、そして兵たちの掛け声で騒然としているが、ここだけは静かだった。その最上階では、六本の刀を背負った独眼の青年が、2人の男と対峙していた。「HEY、てめぇら……オレとアイツの真剣勝負に…