デッドエンド

極上の豚肉※

異様な木々が立ち並ぶ樹海の奥地。剣や弓、槍などで武装した数人の男達が、たき火を囲んでたむろしていた。一様に表情は暗い。「やっぱりあの村長の話、ちゃんと聞いとくべきだったなぁ」「今更言っても仕方ないだろう」彼らは皆、ある程度の名の知れた冒険者…

マジキチクエストⅠ-1※

古来、大陸に伝わる伝説、十大淫魔。人間の痴態を肴に、人間の体の一部や体液、排泄物などをエネルギーとする10柱の強大な悪魔。人々は長きに渡り、彼らに虐げられ、それでも抗い続けていた。大陸の中心、聖王国の宮廷は、魔王のアジトとなるダンジョンを見…

マジキチクエストⅠー2※

「うくっ……こ……ここは……?」赤茶色の壁と床に囲まれた殺風景な部屋で、少年賢者リアンは目覚めた。ゆっくりと立ち上がり、ローブの裾をポンポンと払う。あたりには、誰もいない……。「ああ、そうだ……。キルファがやられたんだ……」落ち着く暇もなく…

マジキチクエストⅠー3※

「ねえ、キルファ」「ん?なんだよ?」「僕、勇者になれるかな?」暖かい木漏れ日の降り注ぐ街道を、2人の少年が並んで歩いていた。背の低い方の少年が呟いて立ち止まると、大きい方の少年も歩みを止め、じっと彼の顔を見つめた。「大丈夫だよ、今更何言って…

2人のナイト※

俺には、4つ上の兄がいた。若くして王国騎士団の部隊長だった兄は、剣技に優れ、冷静沈着。女からもモテたがそんなものには見向きもせず、日々真面目に鍛錬に励んでいた。俺は兄のような立派な騎士になりたくて兄に指導を願ったが、「邪魔だから近づくな」と…

帝国の落日・レジスタンス崩壊(後編)※

※『帝国の落日・レジスタンス崩壊(前編)』の続きです。     「やぁ、気分はどう?」Rの無神経な声で、キンスターは目覚めた。「うん、ちょっとベッドが固いかなー。あと、昨日のステーキ、ちょっ…